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「不都合な真実」

不都合な真実



今、アル・ゴア元米副大統領著の「不都合な真実」(ランダムハウス講談社)を読んでいる。



写真やグラフが多い大型本で、これは映画「不都合な真実」を本にした安易な企画では?との思いがあったが、読み始めて、認識を変えた。



本文は二つの要素に分かれる。ゴア氏の半生=なぜ、自分が地球環境保全に取り組むことになったか、少年時代、学生時代のこと、そして環境問題への取り組みなど=と、地球温暖化についての解説やデータ、写真、温暖化を防ぐのに何ができるかなどの記述の部分である。



自伝的な部分にも興味深いエピソードは多い。たとえば、ゴア氏の息子が、目の前で交通事故にあい、瀕死の重傷を負って、病院に運ばれたこと。幸運にも、一命をとりとめたが、その体験から、ゴア氏は自分の人生で大切でないものに時間を割くのをやめ、自分がやることをしぼっていったという。



これは、ゴア氏が副大統領に就任する前のエピソードで、よく知られた逸話だが、読み返すと改めて考えさせられるものがある。



だが、この本のもっとも優れている点は、科学的にとことん地球温暖化について、解明しようとしていることだろう。



ハワイ島の火山・マウナロア山の山頂で、50年近くにわたって空気中の二酸化酸素濃度を測り続けてきた科学者たちの地道な営み。



北極の氷の厚さの変化を検証するため、米海軍に頼み、潜水艦による氷の厚さの測定記録という軍事機密を、周到な配慮のもとに公表させ、科学データに役立てたゴア氏の行動。(そのデータで、北極の氷が溶けつつあり、薄くなっていることが実証されたという)









過去10年間に、論文審査を受けて科学の学術雑誌に発表された「地球温暖化」に関する論文は「928」あるが、そのうち、温暖化の原因を疑うものは「ゼロ」というデータも紹介されている。



地球に温暖化が進行しており、それは人間たちの営為の結果で、迅速な対応が必要、ということは世界の科学界の「共通認識」だという。



私自身、この本を読んで、地球温暖化に対する認識が、かなり変わった。



そして、もう一点、すばらしいのは、豊富な写真である。78年前の氷河と、氷のなくなっている現在の同じ場所の氷河ーーなど、写真で見ると、温暖化の進行が、くっきりわかる。



多くの人に読んでもらいたい本である。(また、地球温暖化に異論のある人たちには、反論してほしい本でもある)





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| 10:27:02 | トラックバック(0) | コメント(0)
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