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トリックスター太田光

いま、太田光著「トリックスターから、空へ」(ダイヤモンド社)を読んでいます。



2004年1月から2006年10月まで、雑誌「TVブロス」に連載したエッセー風な、または評論風な短い文章を集めたものです。



トリックスターから、空へ



トリックスターから、空へ



この文章の大部分は、もし著者名を隠していたら、たぶん、あのお笑いコンビ「爆笑問題」の太田光が書いたものと当てる人は少ないでしょう。



というのは、どの文章も、「爆笑問題の太田光」のような、奇抜な言葉や、気取った姿勢、毒舌というのがなく、まじめで、ストレートに、そしてナイーブな文章で書かれているのです。



それに、半分近くが、政治問題をとりあげています。それも、愛国心とか、テロとの戦い、戦争責任、改憲、民主主義といった硬いテーマです。



太田自身、前書きで、雑誌に連載中に「太田、いったいお前は何になりたいのか」と繰り返し聞かれたと、書いています。それだけ、テレビの中の太田光とは違い、まるで、太田が政治評論家になろうとしているようだと、思われたのでしょう。



「お笑い芸人が、政治や平和のことを、書いて、時の政権を真っ向から批判して、お前は何様のつもりだ」



という批判かもしれません。



ただ、読んでいて、えらいなと思うのは、こういうテレビ関係の”柔らかい”雑誌、若者がたくさん読みそうな雑誌で、硬い政治の話を、しつこく、真っ正直に書き続ける態度です。



その「ぶれない」態度(本の中では)は、見上げたものです。



テレビの中で、時にピエロのように、諧謔をきかせ、現実を斜めに見ているので、揺れ動きやすい世の中の変動にまどわされず、自由に物事が見えるのかもしれません。(ほめすぎか?)



もしくは、テレビの中で、トリッキーな言動をしている欲求不満が、素直に自分の考えを表現できる手段として、こういう文章を、太田選ばせたのかもしれません。



もしくは、それだけ、平和が脅かされている今の世の中に対して、太田が危機感を募らせているのかもしれません。



そんな彼には賛否両論があるようですが、「二人の太田光」に、当分、注目したいものです。



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